藍千堂菓子噺シリーズ5冊目
時代小説のシリーズものは読者が定着しやすいのか、全然話が進まないというのをちらほら見かけるのですが、こちらの作品は現代ドラマ並にポンポン話が弾んでいきます
当初は父が亡くなり叔父に店を乗っ取られた兄弟のやり返しざまあと思って読み始めたら、主人公が訳あり小道未亡人に惹かれ、訳あって実の父を名乗る事にして、その間にのっとった店を切り盛りできなくなった叔父は主人公の従妹に店を投げ出し、……と色々あって、今回は連れ子だけど実子という扱いになってる娘の話

実子なのに父親が「思いあえば本当の親子になるんだよ」なんておかしなことを言うなと察せる少女なので、すぐに事情に気付き、今回はその複雑な訳を娘に伝えるまでのお話ですが、その間に娘の友人は実の母に捨てられ、でもそれは本当は捨てるというより別の事情があって…となかなか複雑に更生しているので、単調なあらすじに感じたかもしれませんが読み進めさせてくれます

そして私は和菓子があまり好きではないのですが、この作品のお菓子は美味しいのだろうなあと思わせてくれるところもよし
次はそろそろお見合い相手が強盗犯だった従妹の娘と次男の話辺りが来るかなー